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【2024/05/20 05:21 】 |

最近
テレビで
怖い話とかしてるので。

さわさわも
便乗ー。


 窓
 

この手の話は書いてみようと思ったら、以外にも私には苦手な事だと分かりました。
無理に怖さを繕ってフィクションを作り上げるより、怖さがなくても私や私の母が経験したノンフィクションを作った方が、読んでくれる皆様に不快な思いを軽減出来ると考え、少しばかり過去の経験を紹介
したいと思います。

 …実はお前、考えるのがめんどぅなだけだろ!とか思ったそこのあなた!!
…地獄に堕ちちゃえっ!!!


これは私の母が十年程前に勤務していた看護専門学校で起こった事です。
先日、その頃の事が今回の小説の良いネタになると思い、色々と話を聞きだしました。
 
母は昔から霊感というものがあったそうです。ただそれ程強くはなく幽霊を見たり・話したりするのではなく、ラップ音現象や夜寝ている時に軽い金縛りに出会った事がある程度でした。
そんな母を見込んでなのか、ある日の事、少々変わった学生に相談を持ち掛けられた、というよりは忠告を受けたそうです。学生さんはこの年に入ってきたばかりの一年生の女の子で、まだ垢抜けてないのが可愛いらしかったと言っていました。母が受け持っている学生ではありませんでしたが、彼女の方から質問がしやすいという理由で休み時間になるとよく話していたそうです。
前に一度、母の知人が癌で亡くなりお通夜に行った次の日の授業で
「夕べから、何だか右肩が重いのよね。」
と、母が話すとその学生さんが、
「大澤先生の右肩に先生と同じ年くらいの女の人がいるよー。先生と最期にお話ができて、とっても幸せそうだよ。」
と、いわれたそうです。母は怖くなってすぐに、
「先生の肩に乗っている女の人ってどんな人なの?」
と、聞くと
「茶色い髪にウェーブが緩くかかっていてそれを後ろで一つに束ねている。バレーボールの話をしているから、高校か中学の部活の方かな?」
と、右肩を見ながら答えたそうです。
ちなみに前の日の夜にお通夜に行った知人とは高校の同級生で、同じバレーボール部でした。
その学生さんは、前の週に深谷のとある病院に実習を、彼女を合わせて十五人が三週間したばかりでした。来週からは三週間、母の受け持つ学生たちが実習を行う予定です。来週からはいよいよ実習だ!と、気合が入っていた金曜日に彼女は母の所にやって来ました。
職員室では話しにくいからと言われ、空いていた教室で話を聞く事にしました。
彼女は一番後ろの窓側の席に母を座らせ、自分も座るとすぐに、
「先生、あの病院は気をつけた方がいいです。特に学生達の休憩室、あそこ変です。」
と、身を乗り出してこそこそと言うのです。
「…変だった?使い勝手が悪いの?」
と、母は眉間に皺をよせて聞き返しました。すると学生さんはすぐに、
「違いますよ!」
と、否定し、続けて
「そういうのではなくて、あの部屋に絶対何か、人間ではないものがいます、絶対に。」
と、言いました。でも母は初め、その言葉をあまり信じずに、
「人間ではないものって…幽霊…とか?」
と、疑いながら聞き返すと、彼女は真剣な眼差しで、
「右足のない女の人です。何度も休憩室で見ました。」
「私が下見に行った時には、何にもなかったわよ。嫌な感じもしなかったけど…。」
「看護師さんに確認したら、私達が実習を始めた最初の日に緊急外来で運ばれて来た女性がいたらしいんです。歩行中にトラックにはねられて、病院に来た時にはすでに右足がなくて出血多量で手術中にお亡くなりになったとか…。」
「その人だって言うの?」
「たぶん。」
「…まさかぁ…。」
「でも一応。先生は霊感あるから違っていても話しておこうと思って。」
「…私は大丈夫よぉ。霊感はあってもそういう物は見た事なんかないし。」
「でもどうしてか心配で。」
 

それからすぐに実習が始まりました。彼女が言ったとおり、母が下見に来た時よりも遙かに休憩室は薄暗く、休憩室なのに休憩が全くできないような雰囲気になっているように感じたそうです。
でも母にはその右足のない女性に出会う事はなかったそうです。ほかの学生もそういった女性を見たという話もありませんでした。三週間、学生の指導に夢中になり、気付けば休憩室にさえいかない日もあり、そんな事など忘れかけていました。
そしてそのまま実習最終日となりました。この日は、お世話になった看護師さん・患者さんに学生達がお礼をする日です。だから母は一日する事がなく、休憩室で学生達の実習記録ノートの採点をしていました。   
休憩室はナースステーションと内線で繋がれた電話が一つあります。何かあった時にはそこから電話を双方に入れますが、それを使う事は滅多にないそうです。それがその日に突然、ナースステーションからかかって来たのです。母は驚いてすぐに電話をとりました。
「はい、こちら休憩室の大澤です。」
「……………………足が痛い。」
と女性の声がするのです。母はこの電話がおかしい事にすぐに分りました。
だって、この内線はナースステーションに繋がっているのです。
看護師さんしか此処へは電話をかけられないのです。それなのに、足が痛いっておかしくないですか?
母はナースステーションに看護師さんが誰もおらず、困った患者さんが此処へ電話をかけたのだと思いました。
「…担当の看護師さんはどなたですか?」
「…右足がどうしても痛いの。…貴女なら私に触れるから…。」
「私なら…?」
「そう、貴女にしか頼めない…。」
それを聞いて正義感の強かった母は
「…分りました。すぐにそちらに向かうので、そこで待っていて下さい。」
と言いナースステーションへ走りました。
ナースステーションまでは階が二階分違うせいかとても長く感じられました。
(荷物を持っていない医療関係者はエレベーターに乗るのを禁止されているため階段での移動です。)
懸命に階段を駆け上がっていると母の後ろから
「大澤先生…。」
と声をかけられました。人気がなかったので余計に驚いて後ろを振り返るとそこに女性が立っていたそうです。その人は真っ赤なワンピースを着ていてまるで死人のように肌は真っ白でした。
「…はい?」
「貴女が大澤先生ですよね?」
「…そうですけど…。」
「私の右足、どうしても痛いのです。冷やしても温めても。どうしましょう…。」
女性は笑みを浮かべて右足を母に見せるようにスカートの裾を少しめくりました。
「…!」
右足はありませんでした。でもその女性は右足が痛いというのです。
「脹脛のこの辺が…」
と女性は自分の目では確認できないような所が痛いと母に訴えています。近くにあった窓を鏡代わりにして痛い個所を母に教えたそうです。
「…!!」
母はさらに驚きました。窓に映った女性にはちゃんと右足が映っていたからです。
「…先生…私の右足…どうしたのでしょうか…。」
色素の薄い女性の目がそう、訴えてきたそうです。
「…大澤先生…先生…。」
 

話は以上とさせて戴きます。その後、その女性がどうなったのかは私は知りません。
また、母があの状況をどうやって抜け出したのかは皆様のご想像にお任せします。
ただ私が言える事はその日の夕方に母から電話があり、
「美希、あんた今から帰るから家にあるったけの塩を玄関前に置いといてー!!」
と叫ばれたのと、母に忠告した学生さんは見事国家試験に合格をし、看護師として元気に働いているという事です。
 
              完

拍手[1回]

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【2011/09/08 13:45 】 | 小説 | 有り難いご意見(2) | トラックバック()
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有り難いご意見
来たぜ☆
だいぶ長いこと来なかった。初お邪魔しますwww。
読んだよ☆
私、文藝部なのに何やってるのやら。。。

きっと頑張ってまたサイトやるよ♪

頑張れなかったら
もしかしたら誰かとやるかも。
【2011/09/25 22:08】| | 椎奈 #985c5e45b7 [ 編集 ]


おひさ~
久しぶりに遊びに来たぜ。
…と言いつつ、実はちょくちょく見に来てたり。
コメントするのは久しぶりね。
何度読んでも『窓』怖ぇぇぇぇ…!
【2011/10/01 11:29】| | あみ #990b3ed480 [ 編集 ]


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